北京旅行記
2007年6月9日から12日の4日間、JTBのツアーで北京を訪れました。
6月9日(土)(晴れ、北京も晴れ))
9日朝5時半に起きた。雨だとばかかり思っていたが、雨は降っていなかった。ラッキーである。天王寺から「はるか」に乗った。初めてだ。速い。28分で関空に着いた。午前8時少し前に集合場所に着いた。そこで、飛行機のチケットと当日の搭乗券を受け取った。まだ時間は大分あるが、入国審査に向かう。セキュリティチェックは、出国のためか、簡単なものだ。関空を利用するのはこれで3回目だ。スムーズに搭乗口のあるフロアまで進む。マイレージは、ツアーなので加算されないかも知れないと思っていたら、従業員の人に聞いたら、機械を操作して、加算の手続きをしてくれた。これまたラッキー、という感じだ。
飛行機は、離陸順番待ちで定刻より15分ほど遅れて出発した。
飛行機に乗る楽しみの一つは機内食だ。が、今回のフライトは、それほどでもなかった。ご飯は軟らかすぎた。
3時間のフライトの後、北京空港に着いた。北京は快晴だった。入国手続きをして、出口に出ると、陳さんという青年のガイドが出迎えてくれた。これでやれやれだ。ここから先は、すべて陳さんにお任せだ。ツアー参加者は全員で29人だと分かった。大所帯だ。これから4日間一緒に団体行動をすることになる人達だ。男性は8人で、4分の一だ。おばちゃんが多い。そしてお年寄りのカップルも結構いる。一人で参加したのは私ともう一人、女の子がいるだけだ。後は女同士の友達グループだ。出口を出たところに銀行があったので1万円だけ両替した。610元だ。日本で両替するよりも少しレートがいい。後で分かったことだが、バスの中での両替は600元、ホテルでは616元だった。
初日は、頤和園を見物することになっていたが、移動の都合で2日目にし、代わりに2日目の天壇公園に行くことになった。天壇公園は天の神様を祭ってあるところだ。広い敷地だ。到着したのは3時頃だった。敬老優待パスのようなものがあり、お年寄りは無料で入れるという。中では、中国将棋をしたり、歌ったりしている人がいる。雰囲気としては、以前の天王寺公園の風情に似ていなくもない。
天壇公園の後は、総合民芸品店でのショッピングだ。何かと思えば、中国の真珠だ。真珠は、鳥羽の御木本が本場だと思っているので、みんな何も買っていなかった。その他に、臭い付きの扇子や墨など、いろいろあったが、みんな見ているだけだった。
その後、王府井(わんふうちん)へ行き散策する。露店がたくさん出ている。しかしできるだけ食べないように注意される。中国の人は慣れており、身体が雑菌にも抵抗力があるが、私たちが食べるとお腹を壊してしまうそうだ。こういうところもガイドがいてくれて助かっている。
散策の後は、北京料理に舌鼓を打つ。最後の方に出た北京ダックは初めての体験だったが、おいしかった。北京の地ビールもおいしかった。食事をともにしてツアーの人達とも少し和めた気がする。ビックリしたのは、ムカデのような揚げ物が出てきたことだが、みんな挑戦しているので、気が進まなかったがトライしてみた。なんだか、じゃこのような歯ごたえだが味はなかった。
食事の後、北京新世紀日航飯店に着いた。5つ星のホテルだ。部屋はツインで広い。空調もよくきいており過ごしやすかった。部屋にはサービスの水がついている。ミニバーの上にある水は36元もする。他で買えば5元だから、もの凄く高い。ま、エビアンということもあるのだろう。北京初日で、これまで漠然と感じていた中国という国を実際に感じることができた。言葉では言い表しにくいのだが、他の都市と比較しようとしても、比較の対象になるような都市が日本にはない。大きく、どっしりとしていて、歴史を感じさせる。そんな印象だ。
風呂は、大きくてきれいだった。水風呂に入り、疲れを取った。グッスリ眠れると思ったのに、ビールを飲んだせいか、途中で2度ほど目が覚めた。
6月10日(日)(快晴)
モーニングコールは朝6時だ。ホテルのバイキングで朝食を食べた後、7時30分にバスに乗る。最初は、昨日行かなかった頤和園へ行った。頤和園の歴史は長いが、中でも、西太后が離宮として使っていたことで知られている。頤和園も広い、全部回っていたら3日はかかるそうだ。敷地の四分の一は人工池だ。ボートで渡ることができるが、今回のコースには入っていない。
頤和園の後、休憩に立ち寄ったところで翡翠を売っていた。最初は買うつもりはなかったのだが、一人の店員がぴったりとフォローして勧めてくる。話を聞いているうちに、今回来られなかった母と姉のおみやげにいいのではないかと思えてきた。大きいのは年配の人に、小さいのは若い人にというので、大きい方を母に、少し小さめの翡翠を姉へのおみやげとして買った。最初は、その気はなかったのだが、いい買い物ができた。帰って渡したとき、二人とも大変喜んでくれた。ここでは、私以外にも買い物をしていた人が結構いた。
休憩の後は、明の十三陵に行った。ここは、歴代皇帝のお墓がある。その中の一つの中に入った。何だかひんやりとしていた。中には本物はなく、新しくこしらえたものが展示してあった。昨日の天壇公園と頤和園もそうだが、ここも世界遺産だ。
十三陵の後、昼食のためレストランに入った。今回は和風中華弁当だ。大変ボリュームがあった。中国のお酒もついてきた。50度くらいあったが、少しだけ飲んでみた。何だか泡盛に似た味がした。ここでは、七宝焼きの品がたくさんあった。小さな猫の置物があったので、それを買った。海外へ旅行したときはよく猫の置物を買ってくるのだが、これで3つ目だ。その他に、タイガーバームとTシャツを買った。龍のの絵に何か文字が書いてある。名前を入れてくれるというので、入れてもらった。刺繍してくれるのかと思ったが、そうではなく墨で書き込んでくれた。
次は、いよいよ万里の長城だ。ここも、もちろん世界遺産だ。バスで高速を1時間程走る。北京の交通網は整備されている。10年程前、まだ高速がない頃は万里の長城へは半日かかったそうだが、今ではずいぶん便利になっている。交通と言えば、北京の人達は信号など平気で無視している。赤信号でもみんな平気で渡っている。事故がないのが不思議なくらいだが、みんな慣れているのだろう。
長城へはロープフェイで登った。見晴らしは素晴らしかった。教科書でみた景色が眼下に広がっている。感動の瞬間だった。一時間くらい長城の上を歩き、バスの待っているところに着いた。やはり、今回の旅行の最大のイベントは、この万里の長城に登ったことだと思う。それくらい素晴らしかった。しかし、足元はコンクリートだが、傾斜があり歩き難かった。中には滑って転んでいる人もいた。ここでは、良い写真がたくさん撮れた。人のよく集まる観光地ではどこでもそうだが、ここでも売り子にまとわりつかれ往生した。
長城での見物の後は、市内へ戻り、夕食だ。今日は広東料理。これが一番口に合った。おいしくいただくことができた。今晩もビールで口を潤した。海老チリ、麻婆豆腐などお馴染みの料理もあり、最後はフルーツのデザートで締めくくりだ。
夕食の後は、ホテルへ帰るグループと北京雑伎団を見に行くグループに分かれた。私は、北京雑伎団を見に行った。行ったのはたったの3人だったが、これが大正解だった。きらびやかな衣装をまとった少年少女を始めとした演技者が見事な曲芸を見せてくれた。片手で逆立ちして台の上から階段を下りるのは凄いと思ったが、下りるだけでなく、また上り始めた時はビックリした。また、皿回しをするのだが、何人も出てきて、それぞれが両手に棒を一本ずつ持っており、その先に一本の棒先が5本に別れ、5枚の皿が回っている。それで、いろんなポーズを音楽に合わせて演技する。最後に、皿を一斉に床に落として始めて、それが皿回しだったことが確信できた。それほど信じられないような情景だった。
公演が終わると、バスが迎えに来てくれていた。ホテルに着くと、もうぐったりして、何もできない。やっとこさ風呂に入ってすぐ寝た。そうそう、今晩やっとテレビのチャンネルの変え方が分かり、いろいろ見ているとCNNが入った。ドイツに行ったときもCNNは入っていたから、これは世界的なのだろう。きっと。それに後から聞いたところでは、NHKのBSが映っていたそうだ。見逃した。残念。北京で石山智恵さんを見られたら感動的だっただろうになあ。
6月11日(月)(快晴)
今日は、政治の中心、天安門と人民大会堂。ただし、人民大会堂は入ることができない。権威を持たすためだと説明していた。日本の国会議事堂は見学できるのに、ここはできないので、余計権威主義的なものを感じてしまう。天安門の次は、隣にある故宮博物院だ。ここは皇帝の住んでいた城で、紫禁城と言われた。広い。残念なことにここでは、オリンピック前の改修を行っていたため、主だった見物場所は見ることができなかった。が、ここで予想していなかった出会いが有った。NHKの書道の講師をしたこともある、当代第一の書家の先生の実演を見ることができた。書いたものを売ってくれるというので、手頃な価格であったこともあり、買っている人がたくさんいた。これはいい思い出になるだろう。私も飾る場所があれば買いたいくらいだった。その他には珍宝館に入ったが、展示品は少なかった。この故宮博物院は、一つのピークだった。何のことかというと、みんな、暑い中歩き疲れて疲労がピークに来ていた。一人年配の女性が気分が悪くなり、休憩を取って待つというハプニングがあった。初日2日目とおとなしかったツアー参加者もぶつぶつ不平をこぼすようになった。この辺が、団体旅行の難しいところだと思う。
昼食は、麺類の予定だった。しかし、普通の中華料理で、麺類は2品だけだった。麺を削ぎ落とす実演があったが、それだけだった。ここで、木魚石のコーヒーカップを買った。自分のためのおみやげだ。この木魚石といのは、特別なたくさんのミネラルを含んだ鉱石からできており、水を入れておくと2日でミネラルウォーターになるそうだ。木魚石の急須で入れたお茶を木魚石の湯呑み茶碗で飲ませてもらったが、味がマイルドに感じられた。
昼食の後は、お茶の店へ案内された。5種類のお茶を体験させてくれた。お茶の入れ方から飲み方まで説明してくれた。まず、ウーロン茶。これは、7番茶まで飲めるが、2番目と3番目が一番おいしい。1番目のお茶は飲まずに、急須にかけて、急須を養う。お茶を飲むには2つの器があり、これをうまく使って、少しさませてから飲む。2つ目のお茶は、ジャスミン茶だ。北京に来てからたくさん飲んだ。味としてはこれが一番気に入ったが、一番高い。次は、プーアール茶これは、中性脂肪を取るのに効くそうだ。これを買った。他に手もみして作るという猿茶。これは苦かった。最後にライチ茶だ。これはほんのり甘いお茶だ。
お茶の次は、胡同(ふうとん)へ行った。ここは、下町の風情が残っていることろだ。中国のあの有名な、仕切りのないトイレというのも見ることができた。三輪車に乗って走ったのだが、三輪車では通れないほど狭い路地になっていて、途中から歩いて散策した。しかし、同じ胡同でもお金持ちの邸宅もあり、貧しい人と豊かな人の住居が同じ地区にある。その中で、3億円と言われる家を見物させてもらった。田舎にある少し広い程度の家だ。それで、3億とは、場所が場所だからかも知れない。
胡同の後は、四川飯店で夕食だ。ここでも、まずビールから。うまい。料理は日本人の口に合うように作ってくれているそうだが、それでも辛い。しかしうまい。北京の料理はすべて正解だった。辛い食べ物が続いたところでごま団子が出た。これはうれしかった。デザートは、スイカとパイナップルだ。
食事の後は、3人はホテルへ帰ったが、その他はバスで京劇を見に行った。うーん。期待は大きかったが、内容はそれほどとも思えなかった。特に最初の30分くらい2人の役者がほとんど無言で演技するのだが、確かにリズムがあり、音楽とも合っていたけれど、あまりにもくどいので最期の方は少しイライラしてきた。後半は少し筋らしいものがあったけれど、それでもほとんどないも同然で、少し物足りなかった。英語の字幕がでるのだが、それだけではよく分からない。
ホテルへ着いた。今日はお茶のお陰か、後半から少し元気が出てきて、今参考にしているメモを丹念に書き留める気力があった。昨日の夜はそれがなかった。これで、北京見物もほぼ終わり。明日は少し見物して買い物をしておしまいだ。
6月12日(火)(曇り)
北京へ来てからずっと暑かったが、今日はかなり涼しく、過ごしやすい。まずは、瑠璃チャンへ行った。ここは、骨董品店がたくさん立ち並んでいるが、みんな偽物だ。ガイドの陳さんがそう言っていた。ここは20分くらい散策して、バスに戻った。
次は、首都博物館だ。ここは、本格的な博物館だ、日本の大きな美術館くらいのスペースがあり、展示品も豊富だ。しかし、あまり興味はなかったので、印象は薄い。一階でBMWの発表会があり、テレビカメラがたくさん来ていたのが記憶に残っている。
最期にもう一つ博物館と名前の付く場所へ行った。ここでは、見事な置物がたくさんあった。それを格安で分けてくれるという。一つのショーケースに9つほどの置物があり、すべて現代の作家が作り、寄付したものだという。一つのショーケースで80万円だそうだ。これまでに買った人、日本人がたくさんおり、残っているショーケースは後2つだとう。さすがにこれに手を出した人はいなかったようだ。他には、翡翠のアクセサリーをここでも売っていた。もう買っているので、ここでは見るだけだ。
12時過ぎ空港に到着。最期にバスの運転手の人と握手して別れた。がっしりした手だった。ガイドの陳さんとも握手してわかれた、柔らかい手だった。
手続きを終えて、16番搭乗口で飛行機を待つ。その間、空港内をあちこちと歩いた。カツ丼などを売っているレストランがあったが、かなりの人が列をなして並んでおり、ゆっくりとできそうにないと思い、あきらめた。機内食を食べるのは午後4時になると分かっていたがしょうがない。
定刻より25分遅れで離陸 OK の指示が管制塔からあり、出発した。離陸はスムーズだった。
今回は、機内はがらがらだったので、席を移って窓際に座った。下は雲で何も見えなかったが、朝鮮半島にさしかかったところでは下の様子を見ることができた。日本の上空にきても日本の様子がよく分かった。午後6時半無事関西空港に到着した。
出国手続きはスムーズで、荷物の中を見られることもなく通ることができた。すぐに一階にでたので、JRで帰ろうかとも思ったが、難波(OCAT))行きのバスがすぐ出発するのが分かったのでそれに乗った。40分ほどで難波に着いた。結構速い。
午後8時前、無事帰宅。